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街のプロデュース会社を目指す関西学院大学出身の学生起業家!ローカルフラッグ

関西スタートアップレポートで紹介している、関西学院大学出身の学生起業家。今回は株式会社ローカルフラッグの代表取締役・濱田裕太さんをご紹介します。

1996年生まれ / 京都府与謝野町出身

関西学院大学に在学中。高校生のときから「地方創生」に関心を持ち、大学時代には、全国の先進事例の視察や丹後地域で事業立ち上げなどを行う。地元である与謝野町から、面白いチャレンジを促進するべく、2019年7月に株式会社ローカルフラッグを設立。

取材・レポート:垣端たくみ(Beyction合同会社・生態会事務局)

垣端:街の人事部って言葉、とてもキャッチーで素敵ですね。

株式会社ローカルフラッグ 濱田裕太氏(以下、濱田):ありがとうございます。我々は、与謝野町にある中小企業と、兼業したい人材のマッチングを行っています。中小企業内には、「新規事業をはじめたい」「WEBマーケティングに力を入れたい」などのプロジェクトがたくさんあります。しかし、いきなりそういった人材を採用するのはハードルが高いので、まずは兼業という形で少しずつ関わっていただける人たちとお繋ぎすることで、中小企業の課題を解決したいと思っています。


神戸新聞(2019年12月13日)

垣端:兼業という少しハードルの低い入り口からスタートし、中小企業と兼業人材の両者にとって良いゴールを迎えることができれば良いですね。


濱田:兼業という入り口から、結果的にその会社に就職するということもあって良いと思います。こういった兼業人材とのマッチングだけでなく、地域の金融機関と、与謝野町の中小企業に就職する新入社員のために、合同新入社員研修の企画もしています。


垣端:まさに街の人事部ですね!


濱田:そうですね。どのような目的の新入社員研修が良いかなどのコンセプトメイクから、当日運営の流れまで具体的に提案しています。最終的には、採用から教育まで、全て行うことができる街の人事部として、活躍してきたいです。


垣端:すばらしい展開ですね。現状売上はどれくらいあるのでしょうか?


初年度の売上は600万円で、そのうち利益が200万円ほど。今は2年目なのですが、このままいけば初年度よりさらに売上が上がる見込みです。大学も2020年に卒業が確定したので、卒業後はさらに力を入れて事業を進めていきたいと思います。また、我々が目指しているのは街の人事部だけではなく、もっと別のことなので、それに向けて事業を拡大していきたいです。


垣端:とおっしゃますと?


濱田:我々は、街のプロデュース会社になりたいと考えています。採用に関することだけではなく、与謝野町発の新規事業をどんどん産み出していきたいと思っています。


垣端:いいですね!どのような新規事業でしょうか?


濱田:まずひとつは、与謝野町の地ビールを作りたいと考えています。与謝野町は、国産ホップの栽培に取り組んでいます。現状で年間1tの国産ホップを収穫でき、他の地域のビール製造に使用されています。1tの収穫量を1.5tまでに増やし、増加分で地ビールを製造したいと考えています。国産ホップが1tあれば、地ビールを20万L(リットル)製造することが可能です。


与謝野町発ビール(イメージ)

垣端:与謝野町初の地ビールができればぜひ飲んでみたいです!他にはどんな事業を立ち上げる予定ですか?


濱田:天橋立に生息している牡蠣の殻をビジネスに活用したいと思っています。毎年天橋立では、牡蠣の大量繁殖に困っています。牡蠣を除去しないと、景観が悪くなり、悪臭の課題も出てきます。実は、年間10tくらいは大学生がボランティアで除去しているんですよ。その牡蠣の殻を誰かが購入してビジネスになれば、除去もボランティアでする必要がなくなって、持続可能な活動になります。


与謝野町の牡蠣殻

垣端:年間でそんなに牡蠣が大量繁殖しているんですね。その牡蠣の殻はどのように活用できるんですか?


濱田:牡蠣の殻はビールの濾過材として活用できます。牡蠣の殻を購入し、ビールを濾過する。もしそれを継続できれば、6次産業にすることができます。牡蠣の殻を除去して海洋問題を解決しながら、地域の産業を作ることができるというわけです。


※6次産業:1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組。これにより農山漁村の所得の向上や雇用の確保を目指している。(出典:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika.html)


垣端:新規事業もとても具体性があって、すぐにでも着手できそうですね。それらを進める上での課題はなんですか?


濱田:大きな課題は資金です。地ビールを作るためには、多額の資金が必要になってきます。


垣端:資金の使い道はどんなものなのでしょうか?


濱田:醸造の機械など、設備投資に使いたいと思っています。余裕を持って見積もると、総額4,000万くらいを予想しています。2,000万円を、与謝野町の醤油屋さん跡地に醸造所を作るための資金として使います。残りの2,000万円を、プロの方の援助を受けるための資金や、自分たちが研修を受けたりする際に資金にしたいと思います。ビールの醸造に関しては素人なので。


垣端:資金調達が必要なわけですね。ビールを作った後の展開としては、どのようにされるのでしょうか?


濱田:ただ資金調達をしてビールを作るのではなく、ファンの方に投資していただきたいと思っています。例えば、プロジェクトの立ち上げ段階で3万円投資してくれた方に対しては、5年後に1.5倍の4.5万円にして返したいです。ビールはたくさんの人に長く飲んでいただける方が良いので、売り上げの分配を将来的にしたい。元本割れすることも0ではないのですが、それでも投資していただけるようなビールを作って、継続していきたいと思います。


垣端:街の人事部として活躍しながら、街のプロデュース会社になっていければ良いですね!生態会としても応援させていただきます!


取材を終えて。垣端より

昨今、高齢化や人材流出が進んで地域に若い担い手がいなかったりなどの理由で、地域の課題を若者が解決するという仕事は、必要とされているような気がします。地域の人も若者だけに頼るのではなく、協力しあって課題解決していける関係性を作っていければ良いなと感じました。

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