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【新型コロナウィルスの影響 緊急アンケート結果】関西スタートアップの2割は、チャンスと回答

最終更新: 5月2日

eラーニング研修、EC代行、人工呼吸器用マスク、除染装置開発などに追い風 5割はピンチだが、緊急支援対策の申込は3割弱

NPO法人生態会(所在地:大阪市北区、理事長:アレン・マイナー)は、『関西スタートアップレポート第二号』を、2020年4月30日に発刊します。新型コロナウィルスが与えた影響についてアンケート結果を掲載していますが、その概要を発表します。 【背景】当法人は、関西の起業エコシステムの活性化を目指して、2018年11月に設立されました。関西の起業エコシステムを取材・調査し、スタートアップ情報をリスト化した『関西スタートアップレポート』を季刊発行しています。また、スタートアップの成長のために、毎月の起業相談やイベント開催、VC(ベンチャー・キャピタル)や事業会社への紹介などを行っています。 2020年2月から新型コロナウィルスの影響が多方面に広がり、多くのイベントや商談が中止になりました。当法人は、スタートアップがこの状況をどう受け止め対応してているか、緊急調査を約400社に行い、60社から回答を得ました。(アンケート期間:2020年4月16日~29日)


【結果概要】

1. 全体:新型コロナウィルスの影響により、ビジネスが「非常に良くなる(7%)」「良くなる(13%)」と、スタートアップの2割は前向きな回答を寄せました。「どちらともいえない」は30%、「非常に悪くなる(15%)」「悪くなる(35%)」で50%です(図1)。昨今、コロナウィルスの影響について悲観的な報道が多い中、関西スタートアップの状況は、比較的影響が少ない結果となりました。(単純比較はできませんが、大阪シティ信用金庫が中小企業に行った4月上旬の調査では、新型コロナウィルスで「すでに悪影響が出ている(67.1%)」「今後悪影響が出そう(29.2%)」を合わせると96.3%です。)


回答した企業の81%は設立5年以内のシード期で、そもそもまだ売上が立っていません。従業員も5人以下が半数を占め、固定費がまだ大きな負担になっていないことも大きいと思われます。

図1 コロナの影響でビジネスはどう変化するか

2. チャンスのスタートアップ:「非常に良くなる」「良くなる」と回答した12社の事業は、 eラーニング研修、EC運営代行、システム開発、アプリ開発、マッチングサービス、ICT機器、介護ソフト、人工呼吸器用マスク製造、除染装置開発などでした。ITやオンライン研修、新型コロナウィルス対策事業をしているスタートアップは、現在の状況を、成長のチャンスととらえている様子が見られます。 「良くなる」理由として、下記の自由回答が寄せられました:「研修のオンライン化が進んでいるため。」「在宅ワークに必要なツールを提供しているため。」「今まで属人的な取引が行われてたが、今回のコロナの影響でITに置き換える事を真剣に考える機会が生まれてるから。」「新型コロナウイルスに対する技術を保有しているから。」 「雇用の流動性が高まると、需要が増えるサービスを運営しているから。」


用意した選択肢の中(図2)での良い影響としては「新規の取引実現・交渉の促進」がトップ。「売上の増加、オンラインイベントでの営業機会の増加」「ベンチャーキャピタルからの資金調達実現・交渉促進」「新規の採用がやりやすくなる」が続きます。

図2 ビジネスが良くなる理由

3. ピンチのスタートアップ:「非常に悪くなる」「悪くなる」と回答した30社は、イベント・講演、インバウンド、飲食関連、人材紹介・採用、教育など、対面がベースとなる事業をしているところが多く見られました。また、研究開発(試薬、新素材)など多額の資金や売り上げを必要とするスタートアップや、IT関連でも、顧客がコロナで打撃を受けていたり、資金調達の交渉や営業機会が減っているところは困難に直面しています。 悪くなる理由としての自由回答:「イベントを行えない状態にある。」「インバウンド観光需要に大きな影響が出ているため。」「取引先となる外食店の休業が相次ぎ、納品先の低迷による売り上げの減少。」「人に会えないので仕事ができない。直接お客に会わないとできない事業。」「顧客となる企業の業績悪化、新規商品の購入が以前より減るため。」「大手との取引が多いため、時間差で外注費などの削減になるから。」「商談のキャンセルがある」「資金調達に影響を及ぼす。」 選択肢の中では(図3)、「売り上げの減少」がトップ。「新規の取引中止・延期」「イベントや展示会の中止・延期」「取引先の事業休止や倒産」も危ぶまれています。

図3 ビジネスが悪くなる理由

4.緊急支援対策の利用は約3割:政府が緊急支援対策を出していますが、すでに申し込んでいるスタートアップは29%。過半数の54%は情報収集をしていますが、17%は何もしていません。スタートアップならではの「昨年度との売上比較が難しい」という声や、「時間がかかる」「手続きが大変」「該当するか分からない」という困難さもあげられました。

生態会の今後:当法人では引き続き情報収集に務め、適切な人や企業や支援策を探し、情報発信をしていきます。ピンチのスタートアップには支援を、チャンスのスタートアップには成長の機会となる場を提供し、関連企業とのマッチングを進めていきます。関西の起業エコシステムを盛り上げるため、今後も尽力してまいります。


アンケート方法:インターネット調査。告知方法:生態会の「関西スタートアップリスト」掲載企業(約400社)へ依頼。また生態会のFacebookやTwitterで告知。ほか、関西の起業支援会社や団体が協力。対象:関西に本社を置くスタートアップ企業

『生態会 関西スタートアップレポート』では、より詳細なスタートアップの声や事例、新型コロナウィルスに負けない新たな挑戦についても、ご紹介しています。


本リリース・関西スタートアップレポートの問合わせ: NPO法人生態会 事務局 〒530-0011大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 タワーC 7F 

グローバルベンチャーハビタット大阪内  担当:事務局 西山裕子 メール:info アットマーク seitaikai.com  

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