• 濱本智義

糖尿病・アレルギー患者にも提供できる、スーパー食品「NinjaFoods」:Sydecas

関西スタートアップレポートで紹介している注目の起業家たち。今回は、様々な食材と同化する万能素材「NinjaPase」を使用した「NinjaFoods」の製造・販売を行う、株式会社Sydecaseの代表取締役、寄玉昌宏さんにお話しを伺いました。


取材・レポート: 橋尾日登美(生態会 事務局)/

濱本智義(学生スタッフ)



 

寄玉 昌宏氏(よりたま まさひろ)代表取締役社長 略歴


兵庫県加古川市出身。立命館大学産業社会学部を卒業後、ヤマハ株式会社でオーディオ営業に従事。その後、農業スタートアップで営業企画/事業開発マネージャーとして働きながら、慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。慶應義塾大学大学院SDM研究科在籍時に日本の食文化について研究し、起業後も「食とヘルスケア」領域に関心を向ける。2019年、植物性ゼロ糖質素材「NinjaPaste」と出会い、「NinjaFoods」を開発・販売を開始。

 


■何にでもなれるスーパー素材「NinjaPaste」


生態会 橋尾 (以下、橋尾):まず初めに、事業概要を教えていただけませんか?


株式会社Sydecas 寄玉代表取締役(以下、寄玉):Sydecasでは、肉類、魚介類、小麦粉など様々なものと同化する低糖質低カロリーのペースト状素材「NinjaPaste」をコア資源とし、低糖質食品群「NinjaFoods」の開発・販売を行なっています。その他にも、介護関連の衣料雑貨品事業、広報支援事業、オンライン工場見学事業など幅広く事業を展開しています。


「NinjaPaste」の現物

生態会 濱本(以下、濱本):最近CMでもよく低糖質食品を見かけるのですが、どのような違い・強みがあるでしょうか?


寄玉:NinjaFoodsの強みは、様々な背景の方におすすめできる点です。ただ低糖質低カロリーなだけではなくグルテンフリーかつアレルゲンフリーなので、糖尿病患者やその予備軍、アレルギーを持っている方、その他の健康意識が高いような方々にもオススメできます。高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクのある妊婦さんにも、ぜひ食べていただきたい商品です。


そして、もう一つの大きな特徴は、食べ応えがでることです。NinjaPasteの原材料はこんにゃく粉です。そのため弾力性があり、歯ごたえが他の低糖質食品よりも豊かです。その豊かな歯ごたえがジューシー感を生み出し、味にも深みを出すので、低カロリーでも十分な満足感を得ることができます。また、どんな食材にも同化しやすいので、メニューのバリエーションが豊富です。冷凍や高温加熱に対する耐性があり、保存や加工にも向いているという点も商品化しやすいポイントです。


濱本:様々な料理をヘルシーフードに変身させることができるんですね!


寄玉:はい、その通りです!これまでハンバーグ、お好み焼き、野菜のせいろ蒸し、スープなど様々なNinjaFoodsの研究開発をしてきました。最近では、「低糖質焼き菓子」の販売を開始しました。近々「糖質ゼロ唐揚げ」の販売も行う予定です。


橋尾:何にでもなれるスーパー食材、まさに「Ninja」ですね!



「低糖質焼き菓子」のNinjaBrowine

「低糖質焼き菓子」のNinjaBiscuit

「糖質ゼロ唐揚げ」

※取材後、実際に「糖質ゼロ唐揚げ」の販売を開始していました!夜中でも罪悪感なく食べられそうなので、夜行型の僕にはもってこいの商品です!(笑)




■食を我慢しなくても良くなる社会に

社内の調理場で「NinjaFoods」の開発を進める寄玉氏

橋尾:起業を志したきっかけは何だったのでしょうか?


寄玉:母方の祖父が経営者だったということもあって、物心がついた頃から意識はしていましたが、実際に会社を始めたきっかけは、祖母の介護でした。そのため、創業時は介護関連の事業を中心に展開していました。介護業界で活動するなかで、介護食の選択肢の少なさに驚きました。私の家系は糖尿病になりやすく、父母も祖父母も血糖値を気にして食を制限する生活を送っていました。そのような原体験も含め、食を我慢しなくても済むように食の選択肢を広げたいと考えるようになりました。


橋尾:なるほど。そのような経緯があったのですね。


濱本:「美味く、正しく、面白く。」をコンセプトにしていると思うのですが、これはどういうことなのでしょうか?


寄玉新しいけど受け入れられるものを作っていきたいと思っています。面白いだけではダメで、身体に良くかつ美味しいものではないと私たちがターゲットとする消費者には受け入れられません。だからこそ、見た目や食感、味にもこだわっています。


■世界中の料理を「NinjaFoods」に

実際の取材風景

橋尾:最終的には、IPOを目指されているのでしょうか?また、資金調達の予定はあるのでしょうか?


寄玉:IPOするかどうかには特にこだわっていませんが、生産設備導入のために数千万以上の資金調達を検討していて、そのタイミングでIPOを検討するのも良いと考えています。NinjaPasteをtoBで卸すときに、保管コストと輸送コストが最もかさむため、海外を含め卸先工場の近くに自社プラントを建設したいと考えています。


橋尾:今後の展望を教えてください。


寄玉:様々な食品メーカーさんとアライアンスを結び、OEMという形で「NinjaFoods」を広めていきたいと考えています。また、今後は海外展開をメインに考えています。今最も目をつけている国は、インドネシアUAEです。世界最大のムスリム人口を誇るインドネシアと、中東各国へのハブになるUAEは、NinjaPasteが得意とするハラール市場へアクセスしやすいという利点があります。また、インドネシアはこんにゃく芋の原産地であるため、NinjaPasteの原料であるこんにゃく粉の調達コストが安く、UAEではドバイが欧州・中東・アフリカのハブでありながら周辺地域では製造コストが安いため、当社のような製造業に向いている土地だと考えています。


濱本:最後に、一言お願いいたします!


寄玉:今後も「NinjaFoods」の開発を推進していくともに、 「美味しく、正しく、面白く。」をコンセプトとして、多くの人に受け入れられる低糖質食品の開発に尽力していきます!


 

取材を終えて:日本国内には約2000万人の糖尿病患者とその予備軍がいるとされていて、世界的には約4億2500万人もの潜在顧客が存在しています。近年、肥満率の上昇は欧米先進国にとどまらず世界的な問題となっており、健康志向の高まりから低糖質食品へのニーズも今後さらに高まっていくことでしょう。「NinjaPaste」の強みは何といってもその汎用性にあると感じました。冷凍・加熱に対する耐久性が高く加工・保存が容易なので、様々な食品に用いることができます。将来的には全ての料理を「NinjaFoods」にするという寄玉氏の強い情熱は、糖尿病患者の食の選択肢に大きな希望を与えてくれることでしょう。

(生態会学生スタッフ:濱本智義)