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  • 執筆者の写真Seitaikai

5月イベントレポート: オープンイノベーションで切り開く事業創造。大手企業とスタートアップの共創、シリコンバレーの事例

更新日:2019年6月20日

2019年5月31日開催


生態会の5月のイベントは、「オープンイノベーション」がテーマ。


大阪ガス株式会社で数々のイノベーションプログラムを立ち上げ、現在は、一般社団法人Japan Innovation Network 常務理事である、松本毅さんにご講演いただきました。



前職で新技術を活用して様々な事業に関わり、オープンイノベーション室長をされていたこと、日本初のMOT(技術経営)スクールを開設されたこと、現在関わっているスタートアップと既存企業が協業するオープンイノベーションの事業など、様々なお話を伺いました。

その中で松本さんのフィロソフィー、考え方を垣間見ることができました。 オープンイノベーションの一つの例として、大手企業が持つ壁や課題を開示して、テクノロジーを持つベンチャー企業がその課題を共同で解決することを紹介いただきました。それを行う上では、信頼関係に基づいた連携や、共同で解決する協力的な考え方が重要だということを一貫してお話しされました。 起業を目指す参加者に向けて、全て1人でやるのではなく、自分の持つ課題を積極的に開示して、早期に支援者と繋がり協力しながら事業をするという、オープンイノベーション的発想も伝授していただきました。 オープンイノベーションをすることによって、なかなか陽の目を見ないベンチャーの技術を世に出すことができます。同時に大手企業だけでは実現不可能だったもの前進するが可能になるため、世の中を変える効果的な形だと思います。日本の勿体無い精神が、今後最大限に生かされれば、イノベーションが生まれるのではと思いました。


松本さん×アレン(生態会 理事長)のパネルディスカッション


松本さんとアレンのパネルディスカッションでは、日本とシリコンバレーにおけるオープンイノベーションという切り口で活発な議論が繰り広げられました。


特に印象的だったお話をご紹介します。


松本さんによると、日本の大手企業はベンチャーの技術を受け入れる準備ができておらず、提案されても採用できる環境ではないとのことです。事業化プロセス、教育、外部とのアライアンスなどの仕組みができていない為だといいます。そもそも、社内の課題を明確化しておく必要性があると述べられました。大手企業が技術のオープンイノベーションを進める場合、まず会社全体としての体制を整える必要があると感じました。


また、アレンによると現在シリコンバレーではオープンイノベーションや共同研究というケースはほとんどないとのことです。シリコンバレーでは、必要な技術がある場合、M&Aを行って手に入れるのが主流で、買収を望むベンチャーも存在する様です。しかし買収された場合、その技術の汎用性を失い2、3年で廃れてしまうこともある為、可能性の種が消えてしまうのが大きな課題でもあると言及しました。


しかし一部の企業ではオープンイノベーションが行われ始めているとのことです。

近年Slackがサービス拡張に伴って様々な企業と技術連携を行ったという成功事例もあり、。このような動きが今後シリコンバレーで広がっていく可能性は十分にあります。シリコンバレーはイノベーションが活発な地ですが、大手企業とベンチャー企業の関わり方において課題があるように感じました。


このパネルディスカッションでは、日本国内外の実例を多く交えながらオープンイノベーションについての議論が繰り広げられ、社会の動きについて理解を深められる興味深いものとなりました。


最後に

司会は学生ボランティアが担当

私は今回学生ボランティアとして司会を担当させていただきました。

初めての司会で少し緊張しましたが、とてもいい経験になりました。今回のイベントには、学生から社会人まで幅広い層の方に参加していただきました。違った視点からの質問もあり、参加者それぞれの学びを得られていた様に伺えたので、嬉しく思いました。


今回の講演では、オープンイノベーションについての知識を深めながら松本さんの考え方に触れることができました。私も松本さんの様に、固定概念にとらわれずに挑戦する精神、そして、尊重する心を持っていきたいなと思いました。


レポート:岡田かのん (生態会学生ボランティア)




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