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スマートグラスで設備点検をサポートVR/ARソリューションが強み:HappyLifeCreators

関西スタートアップレポートで紹介している、注目の起業家。今回はAR/VRソリューションに強い、HappyLifeCreators株式会社の代表取締役、牧長 心(まきなが しん)さんと、広報の林 千尋(はやし ちひろ)さんにお話をお聞きしました。牧長さんは職業能力開発大学校を卒業後、2社を通じてスマートグラス開発に携わり、2019年に会社を設立されました。創業から1年半程度にも関わらず、多数のシステムを開発されています。


取材:西山裕子(生態会事務局長)

レポート:八木曜子(ライター・マーケター)


笑顔が優しい牧長社長

牧長 心 代表取締役 略歴

職業能力開発大学校を卒業後、販売管理システム等の基幹業務システム開発を行う会社のシステムエンジニアとして、最上流工程から保守まで担当。7年経験の後、当時数人規模だったウエストユニティスで、スマートグラス開発ベンチャーのプロジェクトマネージャーに。ソフトウェア開発の責任者として、AR/VR系のソフトウェア開発から、自動走行ロボットの開発などR&Dも経験。2019年5月、大阪でHappyLifeCreators株式会社を設立。

生態会 西山(以下、西山):本日はお時間をいただき、ありがとうございます。早速ですが、会社を設立の経緯を教えて下さい。


HappyLifeCreators 牧長(以下、牧長):昔から起業したかったんですよね。パソコンが好きで、中学の頃からプログラミングをしていましたし、いつかはと思っていました。新卒で入った1社目は勤務時間が長く、職場環境も悪くて仕事が嫌いになっちゃったんです。殺伐としていました。でも転職した2社目は社長が楽しそうで、社員も好き勝手できて裁量がありました。同じように勤務時間が長かったにも関わらず、仕事が好きになりました。退職して個人事業をしばらくした後、前職ではできなかったスマートグラスのソフトを作ろうと2019年5月に会社を設立しました。社名は、家にあった日用品からとりました(笑)。みんなから、ありがとうって言ってもらえるのがいいなと思ってます。


西山:やりたいことが、よくわかる会社名ですね。どのような事業をされているのですか?


HappyLifeCreators 林(以下、林):webシステム開発・スマホアプリ開発・VR/ARソリューション・技術支援の4本柱で、スマートグラスなどを用いたVR/AR領域が強みです。スマートグラスのソフトは、自社製品も作ってパッケージで販売しています。


牧長:スマートグラス向けのソフトを開発しているところって、あんまりないんですよ。あっても大きい会社が多く、価格が高い。前職の社長や、一緒にNPOやってた先生などが、スマートグラス業界では有名で、スマートグラス向けのシステムをかなり経験させていただきました。サンプルではなく、実際に使えるスマートグラスのソフトを開発できるのは、日本でも希少だと思います。


生態会 八木(以下、八木):ソフトは、この場所で作ってるんですか?大学の研究室などで作ってるイメージでしたが...


牧長:社内で作っています。ハードはよそです。『TASKel』は、オンプレ(オンプレミス=システムを自社で管理・運用すること。クラウドの対比)のパッケージ製品として、出しました。クラウドでは、日本ユニシスさんの『まるっと点検リポーター』というプラットフォームの中で使ってもらっています。他にも大手製造業の会社は、製造ラインの最後の点検工程の部分で使用しています。点検項目が何十項目とあり、その結果をデータでとって写真を撮る形で使ってもらっています。


スマートグラスとの連携で、ビルやプラントなど設備点検のフィールド作業を支援

西山:製造業の、いろんなところに使えそうですよね。営業は、どなたがされてるんですか?また、競合の類似製品とは、どこが違うんでしょうか?


牧長:今は、三菱系の商社にお願いしています。他社との違いは、大手のソフトと違って価格が安いのと、知見がたくさん活用されて現場でちゃんと使えますよ!というところですね。スマートグラスみたいな珍しいものは、大手が導入しやすく、中小の会社が手を出しにくい。中小でも導入できるよう、なんとか安い金額に抑えてます。ほかにもスマートグラスでの遠隔配信支援を、病院からの依頼で開発したり、学習塾と勉強計画アプリを作ったり、臨床感知システムやジムの24時間入退室管理システムと、たくさん開発しています。


西山:昨年設立されたばかりなのに、すごいですね。今後の事業展開はどのようにお考えですか?


牧長:いろんな業界に携わり知見もたまるので、今後も受託はやめません。他にも、自社パッケージの構想があります。『TASKel』に続いてIoTを活用した遠隔操作支援や、作業データをもとに、機械や設備の不具合や故障を予知して安全を管理する予知保全、新⼈・外国⼈労働者への動画教育など、包括的な業務効率化⽀援サービスも考えています。まだお披露目してませんが、2つほどソフトはできてます。


西山:今後が、楽しみですね。コロナで、何かしらビジネスに影響を受けましたか?


牧長:スマートグラスの引き合いは、とても増えました。例えば『TASKel』だったら二人一組で確認していた作業が、スマートグラスで写真を撮りエビデンスを残せば1人でできます。Zoomみたいなものでつなげておければ、遠隔で確認できます。GW明けくらいからお問い合わせをかなり受けています。今後も、伸ばしていきたいですね。


西山:コロナが追い風になっているんですね。3年後の、会社の構想は?


牧長:50人くらいの会社にしたいよ...ね??(林さんと目配せをする)したいですね。


   

      

社内風景、引き継いだレンタカーシステムの機器


西山:会社は、ずっと大阪ですか?


牧長:東京に行くつもりは、ないです。僕は生まれも育ちも、大阪です。うちの仕事は実は、ほとんど東京のお客さんからいただいてるんですが、IT系だと、場所は選ばないんじゃないですか?本社がどことか、こだわらないでいいかなと思っています。

オフィス風景

西山:憧れの会社はありますか?


牧長:前職みたいな会社がいいですね。まだ日本にないもの、世界的にも珍しいものを作ってた会社です。でも、具体的に目指している会社はないです。自分の道を行きます。


八木:ちなみに大阪だと、スマートグラスの情報は手に入れにくかったりしませんか?どうやって情報を手に入れるんですか?


牧長:そもそも、日本スマートグラスを作ってる会社はそんなにないんです。業界は狭いんで、みんな友達です。海外の情報を得たり、情報通な大学の先生からとか教えてもらったりしますね。


西山:今後、どのような職種の方が入ってほしいですか?


牧長:システムエンジニアですね。Wantedlyなどで、多数募集しています。そして会社名の認知が上がれば採用にも受注にも直結しますので、広報にも力を入れてます。これからも発信していきます。


西山:IT系の会社さんで、初期に広報に注目されるのは嬉しいですね。本日はありがとうございました。


(左から)牧長社長、広報の林さん、生態会の西山

設立から1年半程度にも関わらず、多数のシステムを開発され、伸び盛りの会社でした。会社ブログやwantedlyなどからも、技術や仕事への情熱が見え、また会社への愛も強く感じ、風通しのいい社風も伺えました。「開発は天職」と言い切る社長だからこそ、エンジニアには居心地のよい職場が生まれ、スピード感ある開発ができるのだろうなと改めて感じました。AR/VR領域はこれからどんどん伸びていく分野で、コロナ禍においても間違いなく追い風が吹いています。大阪の会社が活躍すること、楽しみにしています。(ライター 八木)




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