• Seitaikai

障がい者にやさしい街づくりを!Lean on Me

最終更新: 4月1日

生態会では今年、「関西スタートアップレポート」を発刊するための取材を進めています。今回は、関西で成長する注目のスタートアップとして、株式会社Lean on Meをご紹介します。


前回取材した、オタクラウドから紹介していただきました!スタートアップは、スタートアップの事をよく知っており、成長する会社、信頼のおける代表を見つけるにはご紹介が良いですね。


”Lean on Me”は「わたしに寄り添って」という意味です。障がい者、障がい福祉サービス事業者、障がい者の家族にとって、頼れる味方になりたいという思いが込もった社名とのことです。取材にご協力いただいたのは、同社の代表取締役社長、志村駿介さんです。人生でのミッションや自分にしかできないことを追求する、とてもかっこいい方でした!


取材・レポート:近藤協汰(立命館大学経営学部2年・学生ボランティア)・西山裕子(生態会事務局長)


高槻のオフィスでインタビュー

近藤:Lean on Meさんは、どういう事業をされているのですか?


志村駿介代表(以下、志村):我々が主に提供しているのは「Special Learning」という、eラーニングです。これは、障がい福祉サービス向けの職員研修サービスです。利用者は、隙間時間に、高品質な研修を受講することができます。


このプログラムでは特に、障がい者施設での虐待防止を目的にしています。実は障がい者施設の職員でも、障がいのある方への適切なコミュニケーションの仕方がわからないことがあるんです。


というのも各施設では非常勤の職員も多く、障がい者対応のプロばかりじゃない。社外研修を十分に受ける時間も、機会もない状況です。なので施設現場で、虐待が起きたりしてしまうんですね。僕は、「障がいのある方への配慮の仕方の認知度を上げる」ことが自分のミッションだと考えていますので、この状況を変えるために「Special Learning」をスタートさせました。eラーニングなら、いつでも場所を問わずに学びを深めることができますので。



近藤:起業に至った経緯を教えてください。


志村:中学生からテニスをしていて、高校ではインターハイにも出場し、プロになろうと、錦織圭選手も通ったアメリカのテニスアカデミーに行きました。そこで世界の強さを知って、テニスではなく、「自分にしかできないこと」をしようと思ったんです。大阪体育大学に進みましたが、3年生の時には、経営者になろうと決めていました。


大学卒業後、回転ずしの株式会社はま寿司に就職し、経営を学びました。その後、2014年、24歳の時に起業しました。が、実はその時点では明確な事業構想がなくて。しばらくは、webの受注仕事をしていました。そこで得た資金を別の「自分にしかできない事業」に投資しようと思っていたんですが、受注に追われて他の事ができませんでした。


僕にはダウン症の弟がいて、ずっと共に過ごしてきたので、これが「自分にしかできないこと」なんじゃないかな思い始めました。それで2015年に、アメリカオレゴン州、ポートランド近くの障がい者支援の現場を直接見ることにしました。


弟さんと育つ中で、障がいのある方への配慮の仕方の認知度を上げたいと思ったそう

あちらでは、障がい者支援用に体系的にまとめた研修プログラムを受講することが義務付けられており、支援者の知識・実技水準は高いものです。日本に帰ってきてからは、融資をしてもらい、日本の環境に合わせた研修プログラムを作り、現在の事業を展開していきました。


西山:どのような会社が、利用しているのですか?


志村:障がい者支援施設もそうですし、障がい者を雇用する企業も対象です。障がい者雇用促進法というのがあって、すべての民間企業(従業員45.5人以上)の事業主は、2.2%以上の割合で障害者を雇用する義務があるので、従業員である障がい者の人とどう接するべきかを学ぶ必要があります。また、 特例子会社という、障害のある方の雇用の促進・安定のために設立された会社も対象です。親会社の法定雇用率に、算定できるのです。「立命館ぷらす」も、うちのお客様です。


近藤:うちの大学に、そのような子会社があるとは知りませんでした!


西山:障がい者関連の事業は、今、広がりを見せていますよね。大手企業も障がい者支援や就職斡旋などの分野に進出している話を聞きます。御社は、ご自身の経験を活かしながら、新たな事業を見つけていかれたようですが、独自性は何でしょうか。


志村:障がい者のeラーニングという分野は、他にはあまり見られません。内容の充実度は、トップクラスだと自負しています。「Special Learning」は、商標登録を申請中です。また、テニスを長くやっていた経験を活かし、知的障がい者テニス教室、Special Tennisを毎月運営しています。昨年は、島津製作所と一緒に地域貢献イベントとして開催する機会もありました。


京都市立白河総合支援学校から知的障がいのある学生15名が参加

西山:なるほど、今後の成長が楽しみです。将来は、IPOなども考えてらっしゃるんですか?


志村:もちろん考えています。そして、「高槻から上場したい」と思っています!僕が高槻で育ったというのもありますが、実は高槻は全国的に見て福祉が非常に進んだ市なんですよ。福祉施設が多く存在しますし、「北摂杉の子会」という、自閉症支援としては日本一の団体もあり、全国から視察に来られます。僕たちはそんな高槻からIPOをしたいなと考えています。


また、アジアの市場も注目してみています。中国は何といっても人口が多いですし、韓国も障がい者支援の施設を増やしています。日本でのノウハウを、将来海外で展開していきたいと思っています。

取材を終えて。近藤より

志村さんの原体験、そしてミッションを大切にする姿はとても印象的でした!事業拡大にももちろん意欲的で、高槻からIPOを目指すという強い意志を語ってくださいました。

この取材を通して、志村さんのお話は自分の生き方を再考するきっかけになりました!






158回の閲覧