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企業のAI活用を、安全性と実装力で支えるMCP接続管理クラウドTumiki

  • heartheart62
  • 5 時間前
  • 読了時間: 7分

更新日:23 分前

関西スタートアップレポートで紹介している注目の起業家たち。今回は、株式会社RAYVEN 代表取締役の鈴山佳宏さんに話を伺いました。同社が開発する「Tumiki MCP Manager」は、AIエージェントと業務ツールを安全につなぐ接続管理クラウドです。RAYVENは、情報漏洩や権限外操作といった企業の不安に向き合い、AIを安心して使い続けるための管理・統制基盤づくりに挑んでいます。   取材・レポート:垣端 たくみ(生態会事務局) 小林希実子(ライター)

鈴山 佳宏(すずやま よしひろ)氏 略歴

株式会社RAYVEN代表取締役。1998年生まれ、岐阜県下呂市出身。藤田医科大学卒業後、診療放射線技師として勤務し、院内業務効率化システムの開発に携わる。その後、受託開発、SaaS開発、DX支援などを経験。2024年7月に同社を設立し、AIガバナンス・内部統制領域の事業を推進している。MCPサーバー管理に関する特許も取得済み。企業がAIを安全に活用するための基盤づくりに取り組む。


「AIと働く世界」を当たり前に。企業がAIを安心して使うための土台をつくる


生態会事務局 垣端 たくみ今日はありがとうございます。まず、株式会社RAYVENの概要について教えてください。 鈴山 佳宏氏(以下、鈴山):こちらこそよろしくお願いいたします。私たちは、AIを企業が扱いやすく、管理しやすい状態にするためのプロダクトを開発。企業ごとの業務に合わせたオリジナルのAIエージェント開発も行っています。ミッションは、「AIと働く世界を当たり前にする」ことです。


生成AIは広がってきましたが、企業の現場ではまだ十分に普及しているとは言えません。その理由の一つが、ガバナンスの課題。セキュリティリスクや情報漏洩への不安、管理の難しさが導入の壁になっています。


AIが社内データを見たり、業務ツールを操作したりすると、「どの従業員のAIが、どの情報にアクセスし、どのような操作を行ったのか」を管理できることが重要になります。

私たちは、その仕組みを整えることで、企業がAIを安心して活用できる環境をつくりたいと考えています。




医療現場で感じた、情報管理の重み。患者情報を扱った経験が、AI事業の原点に ライター 小林 希実子(以下、小林):なぜ起業しようと思われたのでしょうか。

鈴山氏:大学時代から、将来的に独立したいという思いがありました。医療系大学を卒業した後、まずは自分の市場価値を上げるため、大学病院で診療放射線技師として働きました。

医療情報は非常に取り扱いが難しい情報で、患者さんの情報を扱うため、情報管理には慎重でなければいけません。その経験が、現在の「企業のデータをどう安全に扱うか」という問題意識につながっています。

AIを活用するうえでも、顧客情報や機密情報をどう管理するかは避けて通れない課題。流行としてAIに取り組むのではなく、現場で情報管理の重みを知った経験が、RAYVENの事業の土台になっています。


診療放射線技師として勤務していた頃の鈴山さん
診療放射線技師として勤務していた頃の鈴山さん

「使わない」では防げない。企業が直面するAIガバナンスの課題



小林:御社が向き合っているAIガバナンスの課題とは、具体的にどのようなものですか。

鈴山氏:たとえば、会社でChatGPTを使う時に「こういう情報は入力しないでください」とスタッフに伝える方法があります。ただ、それだけでは本質的な解決にはなりません。

今後はAIが質問に答えるだけではなく、業務を遂行するAIエージェントとして動くようになります。悪意ある指示が仕込まれたり、権限を超えて社内ドキュメントを書き換えたりするリスクもあります。


それが会計データや顧客データだった場合、企業にとって非常に大きなリスクです。私たちは、情報漏洩やデータ改ざんを防ぎ、AIがより企業で普及できる状態をつくりたいと考えています。 小林:同社が開発された「Tumiki MCP」について、わかりやすく説明していただけますか。


鈴山氏:一言で言うと、AIにとっての「社員証」を管理するようなプロダクトです。

既存のAIは、よく「新入社員の東大生のようなもの」と言われます。地頭はいいけれど、会社の業務知識や現場の前提はまだわかっていない。リアルタイムのデータや、社内ツールへのアクセス権限も持っていません。


企業で活用するには、AIが社内の業務ツールやデータに安全にアクセスできる必要があります。ただ、各スタッフがそれぞれ勝手にAIと業務ツールをつないでしまうと、管理が難しくなります。


そこでTumikiでは、AIと業務ツールの通信をトラッキングし、どの従業員のAIが、どのツールから、どんなデータを取得したのかを管理できるようにしています。

AIがNotionやSlack、タスク管理ツール、会計ソフトなどとつながることで、業務は効率化できます。ただ、その裏側で通信を管理できるからこそ、安全に使うことができる。ここに、RAYVENならではの価値があります。


TumikiのAI活用
TumikiのAI活用



日本はAI活用で遅れている。しかし、巻き返せる理由がある


小林:日本はAI活用が遅れていると言われます。実際にはどう感じていますか。

鈴山氏:かなり遅れていると思います。アメリカでは、AIを使うことが文化として当たり前になっています。


とはいえ、日本にも可能性があります。日本企業には、研修資料や業務マニュアルがしっかり整備されているケースが多く、業務データやノウハウが社内に蓄積されています。

そこに特化したAIエージェントを構築できれば、日本企業は十分に戦える。私たちは、企業の基幹システムや社内データとAIを安全につなぐことで、その価値を引き出していきたいと考えています。

小林

大阪で事業を展開されていることにも、理由があるのでしょうか。

鈴山氏大阪には可能性があると思っています。大学が多く、若くて吸収力があり、スピーディーに動ける人材がいます。AIは進化が速い領域なので、新しい技術を素早く吸収できる人材がいることは重要です。

また、関西にはサーバー会社など、インフラ系の企業も多い。私たちの事業は、AIと業務ツール、データをつなぐインフラに近い領域なので、関西であるメリットも感じています。

大阪でAI企業といえば、まずRAYVENの名前が出てくるような会社になりたいです。


大手企業からの問い合わせも増加。今ほしいのは、実証の場

小林:現在、どのような企業から関心が高まっていますか。

鈴山氏:業界を問わず関心はありますが、特に大手企業からの関心は高いです。AIをどう管理していくかという文脈は、大手企業ほど重要になります。


今はプロダクトを磨き込むタイミングで、積極的な営業はあまりしていません。それでもプレスリリースをきっかけに、上場企業や大手企業から問い合わせをいただくことが増えました。


一方で、自社プロダクトとしてのTumikiの実証先をもっと増やしたいと考えています。どの業界のどの業務で最も費用対効果が出るのかを検証し、ユースケースをつくっていきたいです。

事業内容を熱く語る鈴山さん
事業内容を熱く語る鈴山さん


日本のAI活用を前に進めたい。その第一歩を、大阪から

小林:最後に、今後の目標について教えてください。

鈴山氏:まずは、日本のAI活用を進めていきたいです。AIはこれからも進化し続けます。企業がその変化に対応し、業務に取り入れていくためには、安全に使える仕組みが必要です。私たちは、その基盤をつくる会社でありたいと思っています。そして、大阪でAI企業といえばRAYVENと言われるような会社を目指していきたいです。 小林:ありがとうございます。AIを安心して使い続けるための基盤づくりは、これからますます重要になると感じました。大阪発のAI企業として、RAYVENの今後の成長を楽しみにしています。

(左)鈴山さん (右)ライター小林
(左)鈴山さん (右)ライター小林



取材を終えて

AIが進化するなか、多くの企業はまだ「どう使うか」を模索している段階です。RAYVENが見据えるのは、その先にある「どう安全に使い続けるか」という課題です。

AIエージェントが業務を担う時代には、誰のAIがどのデータにアクセスし、何を行ったのかを把握する仕組みが欠かせません。Tumikiは、その新しい企業インフラになり得るプロダクトだと感じました。

医療現場で培った情報管理への意識、独学で技術を磨いてきた行動力、大阪からAI企業の代表格を目指す意思。RAYVENは、企業のAI活用を試す段階から実装し、安全に運用する段階”へ進める存在として、今後注目されるのではないでしょうか。

(ライター 小林 希実子)








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