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病気の早期発見で治療より予防を目指し、健康管理を生活インフラへ:ウェルヘルス

関西スタートアップレポートで紹介している、注目の起業家たち。今回は、労災保険二次健康診断サービスを提供する、株式会社ウェルヘルス代表取締役 土井 久生馬(どい くうま)氏にお話を伺いました。


取材・レポート:大洞 静枝(生態会事務局)、大野 陽菜(ライター)


 



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代表取締役 土井 久生馬氏 略歴:1999年生まれ、大阪府茨木市出身。2020年にK-POPイベント事業を行う株式会社BRANDNEWを設立。2021年に事業再構築し医療事業へ転換。関西健診クリニックを立上げる。2022年4月一般社団法人全国健康社会推進協会 理事に就任。2023年7月ウェルヘルス株式会社を設立。2024年2月「U-30 KANSAI PITCH CONTEST」最優秀賞受賞。2024年4月より、ソフトバンクアカデミア15期生。


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企業の健康経営が経営課題となるも、健康診断の再受診率の低さにギャップがある


生態会事務局 大洞(以下、大洞:本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

まずは、事業の概要を教えていただけますか?


代表取締役 土井 久生馬氏 (以下、土井氏):私たちは、労災保険二次健康診断サービスを提供しています。二次健康診断とは、厚生労働省が行う無償の再検査制度です。一次健康診断では主に基本的な健康状態のチェックを行いますが、二次健康診断ではその結果に基づいて、より詳細な検査や専門的な診察を受けることが目的とされています。脳血管や心臓の状態を把握するための血液検査や画像診断、心臓疾患の予防を図るための保健指導を受けることができる制度です。


ウェルヘルス代表 土井氏

実は、一般健康診断で60%の人が何かしらの異常が見つかり、二次健康診断の対象となっているにも関わらず、その後再検査に行く人はなんと10.5%以下にとどまります。どこの病院に行けばいいか分からず悪化するまで放置してしまったり、忙しいからと後回しにしてしまったりするからです。日本では医療費が比較的安く済むことも検診への意識低下につながっていると考えられます。


大洞:再検査率がそれほど低いとは思っていませんでした。確かに、二次健康診断については情報も少なく認知も低い印象があります。


土井氏:そうなんです。しかし、結果を放置して状態が悪化してしまうと、コスト面や精神面で個人、企業、社会ともに悪循環となってしまいます。


そこで、私たちが提供しているのは職場の定期健康診断で異常の所見があった対象者に二次健康診断を促進するため、企業を支援していくというサービスです。企業担当者が行なう書類作成サポートや対象者のリストアップを代行しています。提携医療機関への予約や全国の出張健診にも対応し、二次健康診断の受診率を向上させることで、従業員の健康促進と、労災事故につながりやすい脳や心臓疾患の予防や早期発見につなげることを目指しています。





ライター大野(以下、大野):これまであまり知られていなかった点に目をつけられたのだと感じます。なぜ、このサービスのアイデアに至ったのですか?


土井氏:元々は2020年に設立した株式会社BRANDNEWにてK-POPイベント事業を行っていましたが、ちょうどコロナの時期でイベントが減り、再構築を模索していました。そのとき、医療職の母から二次健康診断の課題について聞いたことがきっかけで、2021年より本格的に医療事業へ転換しました。また、2022年に弟が白血病で他界し、「健康社会の実装」は自分が生涯かけて成し遂げたいテーマになりました。


痛く、辛く、しんどい治療を受ける人が1人でも多く減ってほしいと強く想い、サービス開発と会社設立に至りました。


大野そのような背景がおありだったのですね。大変お辛い経験かと存じます。同じような経験をされている方も多くいらっしゃると思うので、その前に病気の予防のきっかけとなる接点が増えていくことは素晴らしいですね。



健康管理に関わるあらゆる課題を解決


大洞ローンチ後、サービスの反応はいかがでしょうか?また今後、サービスをどのように展開されていく予定ですか?


土井氏:既に約200社と契約し、これまでに利用した被保険者は延べ3万人以上に上ります。


多くの企業にご利用いただいていますが、企業によっては診断結果を手入力する手間やそのフォーマットが異なるといった課題もあります。そこで、私たちはOCR(光学的文字認識)解析技術を活用した健診結果の即時データ化により検査フォーマットに依存しない読み取り技術を開発中です。生成AIを活用し、即日データ化を可能にするプラットフォームの構築を目指しています。

今後の展開については、現在のサービス内容に加えて、生成AIを活用した健康未来予測プラットフォームの開発や、健康状態を定期的に把握することができるセルフ採血キットの併用販売を予定しています。健康未来予測プラットフォームでは、スマートフォン上で診断結果の確認や健康状態の未来予測のほか、近所の病院の予約まで一括して行うことを想定しています。セルフ採血キットは特に、健康保険制度が整っていない海外での需要が高いため、世界での展開を見据えています。


将来的には、 AGI(汎用人工知能)を活用したハードウェアによる健康管理の実現も目指しています。


大野とても近未来的な技術に感じますが、そのような社会の実現がすぐ側まで来ていることに感激しました!誰もが自分の健康を簡単に予測できるようになることで、発症または悪化するまでに治療をして未然に防ぐことができるのですね。


土井氏:ユーザーが未来の健康状態をファクトで理解し、医療の活用フェーズを再認識するためには、正確な健康予測、パーソナライズされた改善策、健康な生活を生み出すインセンティブの3点が重要だと考えています。まさにその未来を実現できるよう、サービス開発に努めています。




健康維持を世界のインフラへ


大洞最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか?


健康についての想いを熱弁いただきました。(左:生態会スタッフ大野、右:土井氏)

土井:病気の早期治療よりも、予防することが何よりだと考えています。そのために、弊社が提供する健康管理SaaSが生活インフラとなるような世界を実現していきたいです。個人や企業の健康管理が効率化されることで、社会全体の健康水準を向上させていくことができると考えています。


5年後には、なくてはならないサービスへと成長させ、時価総額1,500億円を超えるユニコーン企業になることを目指します。


大洞私自身も日頃からの健康維持の重要性について感じていました。このような画期的なサービスをぜひとも実装していってほしいと思います。

今日はどうも、ありがとうございました!


 

 

取材を終えて:取材を通して、医療には管理やコストなど個人、企業、社会それぞれに多くの課題があることを感じました。二次健康診断だけでなく、現在開発中のワンステップ受診予約やカルテの一貫管理が当たり前の世の中になれば、もっと多くの人が治療の辛い思いを経験することなく、健康に過ごすことに繋がると思います。土井さんは近年さまざまなコンテストでも賞を受賞されており、今後、医療業界の横の連携にも期待です。(ライター大野)

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