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  • 執筆者の写真Seitaikai

奈良先端大発!本当に使える介護システム:アクショム

更新日:2020年11月4日

関西スタートアップレポートで紹介している注目の起業家。今回は、関西を拠点に活動する株式会社アクショムCEOの大内 勇磨(おおうち ゆうま)さんに、お聞きしました。


青山学院大学在学中にプログラミングを独学、その後、奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)で学びつつ、学生起業した大内さん。「介護の現場で本当に使えるシステム」実現に向けたプラン、起業にかける想いを伺いました。


取材:池田奈帆美、西山裕子、森令子 (生態会事務局)

 

生態会生態会ブログにも登場するNAIST三宅雅人先生より、大学発の注目スタートアップとしてご紹介いただきました。早速ですが、御社事業について教えてください。


株式会社アクショムCEO 大内勇磨氏(以下、大内):自社サービスとして、介護施設の業務システム開発を進めてつつ、受託開発事業で、資金確保し、人・組織のスキル向上を図っています。


 チームメンバーは、NAISTの企業家教育プログラムGEIOTをきっかけに集まっており、僕も含めて全員エンジニアです。自社サービス成功のために、まずは、社会人としての経験蓄積を優先させる方針で、受託開発で、異常検知技術・屋内位置測位技術・金属加工生産管理システム・印税管理システムなど多数の案件を手掛けています。


 自社サービスとして開発しているのは、リハビリ特化型デイサービスの業務システムです。介護現場ではソフトがあっても活用できず、結局はアナログで業務にあたっています。アクショムでは、現在のやり方をシステム化するのではなく、最新技術で業務を再構築し、やり方、つまりマニュアルごと最適化することを目指しています。現在、2つの介護事業所で実証実験を実施中、業務システムが半年以上使用されており、とても順調です。「利用者の出欠表、送迎のスケジュールなどの調整に半日かかっていたのが、30分で完了した!」といった嬉しい感想もいただいています。



生態会:介護システムには競合も多いと思いますが、差別化ポイントはどこですか?


大内:関節可動域、歩幅などを画像認識で評価する「運動機能評価システム」を開発し、業務システムとつなげようとしています。これまで、目視やストップウォッチ計測だったり、経験や現場判断頼りだった運動評価を、データを基に分析、さらに、その運動評価と、個人データや運動歴などバラバラな情報をつなげることで、エビデンスと成果でリハビリ管理ができるようになります。つまり、「この運動でこう変化した、だから次はこれをやってもらおう」とPDCAが回せるようになるんです。


 さらに、今年(2020年)、一般社団法人を設立、東大阪市にリハビリ特化型施設を開業予定で、実証実験が加速できます。ケアマネージャーなどプロの方が、もちろん参画していますが、ソフトウェアの人間がゼロから介護施設をやるのは、非常に珍しいはず。施設運営を深く理解したうえでソフトウェアが作れれば、とても強いサービスになるだろうと思っています。


生態会:それは素晴らしいですね。介護者・利用者双方に大きなメリットがありそうです。この事業にかける想いを教えてください。


大内:僕のビジョンは「生きるに値すると思える世界をつくる」というもの。宮崎駿監督の引退会見を参考にした言葉です。昔から、ジブリの鈴木プロデューサーに憧れており、誇りを持てること、直接的に人のためになることをやりたいと思っています。それが、今は介護という課題の解決です。リハビリ難民は数百万人と言われるなか、リハビリ特化型デイサービスは不足しており、待ってる方は多数います。”人のためになってるかもな”ではダメ、不完全に導入しても意味がないので、実証実験を数年かけてしっかりやり、エビデンスも得たうえで、本格的にサービスを提供したいと思っています。

 介護システムだけでなく、社会インフラや、メディアアートなどコンテンツにも興味があります、誇りが持てること、社会に貢献できることをやり、会社として常に成長し続けたいですね。

生態会:介護システムの先にも、もっと広い世界を描いているんですね。大内さんのお話、とても刺激的です。ご成功、応援しています!


取材を終えて(森):今、自分がやるべきこと、組織の強み・弱みなどとても冷静に把握し、着実に行動されていて、頼もしいリーダー!という印象でした。自社で施設を開所する実行力にも驚きで、今後の事業の成長が楽しみです。東京ご出身で、青学在学中から起業に興味があったそうですが、東京と関西を比べてどう?の問いには「プレイヤーが少なくやりやすく、東京にいく必要性は感じない。学生起業する人も少ないですね」とのことでした。





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