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  • 執筆者の写真Seitaikai

価格自動化でネットショップの利益最大化!:ダイナミックプライシングテクノロジー

更新日:2020年4月13日

関西スタートアップレポートで紹介している、注目企業。今回は株式会社ダイナミックプライシングテクノロジーCOO代表執行責任者 中村嘉孝さんです。





EC向けダイナミックプライシングツール「throough(スルー)」を中心に事業展開する同社は、生態会と同じグランフロント大阪のスタートアップ支援施設「GVHOsaka」が拠点。ホワイトボードに数式を書きつつ議論するチームは、いつも活気があります。注目分野で先行するスタートアップとして、興味深いお話を伺いました。


取材・レポート:森令子(生態会事務局)

 

:いつも学生の皆さんと一緒に議論されてる姿が気になっていたので、今日はお話伺得ること楽しみにしていました。まずは、事業概要をお聞かせください。


中村嘉孝氏(以下、中村):自社プロダクト「throough(スルー)」は、ネットショップ担当者(EC事業主)向けダイナミックプライシングツールです。楽天市場、ヤフーショップの出店者などが、他社との比較ではなく自店の需給供給バランスに応じて価格をリアルタイムに自動で変更でき、通常時、在庫処分時など状況に応じて利益を最大化する価格戦略が実現できます。そのほか、EC事業などのコンサルや受託開発、AIの強化学習研究も行っています。


:代表取締役CEOの姜 晃啓さんは、親会社の株式会社日光企画社長でもありますね。設立経緯や、COOである中村さんと事業の関わりなど教えてください。


中村:「throough」は、日光企画在籍時に、私が主導して社内エンジニアとともに開発した自社ネットショップ用の価格戦略ツールから始まっています。2017年に開発開始、2018年秋から社外販売を開始すると、ツールだけでなく受託開発の引き合いも多く、非常に手応えを感じました。そこで、ビジネスを強化すべく、「throough」事業譲渡の形で、2019年2月に株式会社ダイナミックプライシングテクノロジーを設立しました。


:ここ数年、聞かれるようになった「ダイナミックプライシング」ですが、業界はどのような状況なのですか?


中村:競合他社は、国内では東京に3社ありますが、EC事業に特化しているのは私達だけです。他社はスポーツチケットやホテル向け事業を行なっており、いずれも、私達と同様ここ1〜2年で創業、技術の差はそれほどないので、データ蓄積が差別化ポイントだと見ています。成長産業であるEC業界で大きく先行していること、小売という巨大市場に展開しやすいことが、私達の強みですね。


:運営されているオウンドメディアdevelopers labには、ダイナミックプライシングに関する専門的なコンテンツが数多く投稿され、とても充実していますね。GVH Osakaでの会議の様子を見ても、高度に専門的な人材が集まっている印象です。どのようなチームなのですか?




中村:開発メンバーは、業務委託や学生インターンを積極活用しています。特に学生インターンは、大学院で専門研究をしている人材など即戦力が活躍してくれています。実力あるインターンが採用できるのは、関西で起業するメリットですね。

 オウンドメディアも、開発メンバーが専門分野について執筆しています。アクセス数も順調ですし、小売、水道、旅行など様々な業界でのダイナミックプライシング活用についての考察記事は、実際に新規営業先で参考にしてもらうこともあります。私自身、WEBマーケティングのキャリアが長いので、オウンドメディアだけでなく、社名、サービス名などビジネス全体の設計で、SEOも意識しています。


:「関西の強みは実力ある学生」とよく聞きますが、インターンを力にしているスタートアップは数少ないので、成功事例として素晴らしいです!最後に、今後の展望を教えてください。


中村:まずは「throough」の充実と、EC業界での導入拡大、さらに、小売業界への本格参入を考えています。また、ダイナミックプライシングを活用すれば、あらゆるビジネスを強くできるので、大企業とのオープンイノベーションなどにも積極的に取り組んでいきたいですね。

 

取材を終えて(森):ダイナミックプライシングを専門とする企業が、まだ国内に数社ほどしかなく、しかも、EC向けはここだけ、という市場の成長性が非常にスタートアップ的で、お話を聞いていてワクワクしました。優秀な学生を引きつけるインターン受入体制など、他のスタートアップ企業も参考にできるのでは!とも思います。今後の成長に注目です。









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