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LINE studyに採用!早押しクイズで自走できる学習へ:いま-みらい塾

関西スタートアップレポートで紹介している、注目の起業家。関西スタートアップレポートで紹介している注目の起業家。今回は、神戸市中央区で”塾を卒業する学習塾”「いま-みらい塾」の運営と、早押しクイズ学習アプリ「はやべん」を開発している株式会社いま-みらい塾の代表取締役社長 歌崎雅弘(うたざき まさひろ)さんにお話をお聞きしました。


取材・レポート:西山裕子(生態会事務局長)、八木曜子(ライター)


歌崎 雅弘(うたざき まさひろ)代表取締役 略歴

2004年 京都大学農学部卒業、美津濃株式会社入社。日本ストライカー株式会社、松谷化学工業株式会社を経て、2015年 個人事業主としていま-みらい塾を開校。


2020年会社名を株式会社いま-みらい塾に変更。

生態会 西山(以下、西山):本日はお時間いただきありがとうございます。まずは事業概要とサービスの詳細を教えて下さい。


いま-みらい塾 歌崎(以下、歌崎):”学習塾を卒業する学習塾”「いま-みらい塾」の運営と、早押しクイズ学習アプリ「はやべん」の開発をしています。学習塾は学習の心構えや学習法を伝えて、学習できるようになればすぐに卒業させる仕組みで、生徒が自分で勉強する力をつける自学自習の姿勢を教えてます。


「はやべん」はこの自学自習の姿勢を身に着け、楽しく勉強するために、早押しクイズ学習アプリにしました。早押しクイズをヒントに、”暗記学習の再定義”という目的を持って開発運用しています。いまの学校教育では良し悪しは別として、暗記学習が大部分を占めます。しかし暗記はおもしろくない、飽きやすい、孤独で時間もかかるといった点から挫折しやすく、この点をクイズ形式にすることで娯楽性を出しました。


何度も挑戦して全力を出すために、答える速度で日本一を競う仕組みを取り入れています。会話やスキル向上のためにも暗記は大切で、その価値と方法を気づくために、この「はやべん」を作っています。


神戸の、いまみらい塾にてインタビュー

ライター八木(以下、八木):強い教育哲学をお持ちなんですね。どういった経緯で、そこに到達されたんですか?


歌崎:個人的な体験ですが、高校3年生の夏に半年で偏差値40から80まで上げて大学に合格しました。合格する確率を上げるためだけの学習をして、答えを思い出せる時間を短くし、効率よく学んで合格しました。短期間で偏差値を上げた学習体験から、学びの心構えを生み出しました。


学習塾では「勉強なんて答えのあるものは自分で学べる、学習塾にはこなくていい」という心構えや学習法、科目毎の哲学、文章の読み方の根本原理などを教えていて、勉強の内容は教えていません。


八木:ご自身の体験から編み出された効率的な学習方法を学習塾とアプリと両方で伝えてらっしゃるんですね。「はやべん」はどういった形で広がっていますか?


歌崎:昨年2020年4月にリリースして、コロナ禍での経済産業省の特設ページ「学びを止めない未来の教室」 と、文部科学省の「子供の学び応援コンテンツリンク集」に掲載していただきました。また、日本e-Learning大賞2019 学習アプリ特別部門賞と、日本e-Learning大賞2020 アクティブラーニング特別部門賞の2年連続受賞しています。


行政とも提携していて、神戸市の新型コロナ対策の実証実験プログラム“STOP COVID-19×#Technology”に採択されたり、兵庫消防署が共同で運用開始を検討している若者向け「ミライの防災知識向上ゲーム」なども進んでいます。


10月に一般財団法人LINEみらい財団によるLINEstudy」の公式アカウント内アプリに採用されました。これはオンライン学習サービスを提供するLINE内アプリで、錚々たる企業様と並列で選んでいただいています。LINE掲載をきっかけに、自治体導入なども広がっています。アプリのユーザーは13500名前後、メインの利用対象は小中高全学年ですが、設問ジャンルは韓国語やTOEICなども対応しています。


問題数は合計11万問ほどあり、これからも増加予定です。問題制作は50人前後のスタッフが担当しています。有料プランは復習モードや自作問題作成が可能になります。



LINE studyのアカウントイメージ

八木:各所から高評価を頂いてるんですね。経済産業省の「学びを止めない未来の教室」 にはどのような経緯で掲載されたのですか?


歌崎:昨年のコロナ禍で学校が休校になったタイミングで、特設ページには絶対「はやべん」を掲載しなければいけないと強く思い、経産省に何回も電話して断られても粘り、「子どもたちを救える学習方法を真剣に考えていますか?掲載不可の理由を教えてほしい」と伝え続け、なんとか掲載していただきました。こちらの掲載をきっかけにLINEから連絡をいただいたので、大変感謝しています。


八木:熱心にアプローチされたことが掲載の決め手だったんですね。アプリ作成までの道のりはどのような流れでしたか?

熱心に、ご説明いただきました

歌崎:実はアプリ開発にいたるまでの数年間は模索時期が続きました。もともと起業意欲はそこまで高くなく、前職で社内ベンチャーを立ち上げたものの社内政治で潰され、怒りから2015年に無計画に辞めました。起業準備はあまりしていませんでしたが、以前から自身の偏差値を半年で40上げた実体験から、自分の学習法を広めることで社会貢献ができるのではないかと考えていたので、起業するなら教育事業と決めていました。


2018年頃に学習塾に専念することに焦点が定まりましたが、自学自習を伝える教育方法はビジネスモデルとして成り立たず、経営が行き詰まって路上生活をしたこともあります。しかし1ヶ月の路上生活を経てマインドが変わり、自学自習の哲学を広げるために、知識も経験もありませんでしたがアプリ開発を決意しました。


プログラミングやベンチャー界隈の知識が全く無かったので、周囲の人や交流会などで知り合った社長に自分のアイデアを訴え、エンジェル投資家とエンジニアを1年かけて探し開発にこぎつけ、2020年4月にアプリをリリースしました。

八木:諦めずに挑戦されて、ついにアプリをリリースされたんですね。開発者や経営陣はどのような方がいますか?


歌崎:取締役は私と、CTOの二神と、投資をしてくれた社長の3名です。外部顧問2名は交流会で知り合ったのですが、進学アドバイザーとして学校講演を年間200回以上行っている教育コンサルタントの蔵下克哉氏、キッザニア甲子園立ち上げメンバーで元企画部・営業部部長の吉田安弥乃氏のお二人にサポートしていただいています。開発中にはエンジニアと私の間でのコミュニケーションミスなどもありましたが、大阪のAIベンチャーの社長に間に入ってくださったことで、開発も順調に進むようになりました。


八木:歌崎さんの熱意で、錚々たる方がご参加くださってるんですね。「はやべん」のいまの課題は何ですか?

いまみらい塾 外観

歌崎:教育コンテンツで個人ユーザーに有料課金するのは難しいと判断し、10月から自治体向けに販売戦略をピボットして18自治体と提携が増えています。また、toC向けには自作問題も作れるモードも搭載しましたが、まだまだ改良したい点が多数あります。


PRやマーケティングにも課題があるので、広報やマーケティングのできるスタッフを採用したいです。また、法人向けにも導入を進めていまして、社員教育をDX化して『はやべん』化するような提案も行っています。


西山:これからの展望は、どのようにお考えですか?

歌崎:全自治体の教育委員会へ「はやべん」の導入を目指しています。クラウドファンディングも動いていて、資金調達ができればアプリ自体ではオンライン対戦ゲーム化を開発予定です。


また今後は学習モードとしてリスニング、スピーキング、手書きモードなども追加を検討しています。サービスの本質である自学自習という学習の心構えを曲げずに暗記を楽しく広げ、自学自習を世界の学びの当たり前にしたいと思ってます。


(取材を終えて)アプリリリースから8ヶ月程度ですが、コロナ禍によるオンライン教育のニーズの高まりと相乗効果が出ていることがよくわかりました。また、歌崎さんの実体験に裏打ちされた熱い教育哲学を軸に、ユーザーの楽しさと学びを融合できているサービスで、私個人もゲーム感覚で楽しんで勉強することができました。


歌崎さんの熱いお人柄と、開発へのストーリーが大変印象的で、情熱があったからこそ投資家や開発者を見つけて協力を得られたのだろうなと拝察しました。「はやべん」を通じて自ら学ぶ力を育む人が増えることへの期待が膨らみました。(ライター 八木)






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