【特別レポート】欧州最大のテック祭典 Viva Technology 2026:オール関西のスタートアップが世界に挑む
- 森令子

- 2 日前
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2026年6月17日〜20日にフランス・パリで開催されたヨーロッパ最大のテックイベント Viva Technology 2026(以下、VivaTech)。10周年を迎えた今年は、記録的な熱波のなか、過去最大の20万人が来場しました。日本からは、JAPAN VILLAGEに7つの自治体などの支援で、スタートアップ37社が出展しました。
初の海外大型イベント出展となる関西広域連合、そして大阪市がビバテク初参加。京都市(昨年も参加)・京都府・「京都知恵産業創造の森」の合同出展など、”オール関西”でスタートアップが集結したVivaTech 2026について、レポートします。(取材:生態会ライター 森令子)

<生態会のこれまでの取材レポート>
過去最大の20万人が来場。10周年を迎えたViva Technology 2026のトレンド
フランスの新聞社と広告代理店が共催するVivaTech、今年は、世界165カ国から1万5,000社以上のスタートアップと、4,500社を超える企業が出展しました。盛況の背景には、2013年からフランスが国を挙げて推進するスタートアップ振興策「フレンチテック」の強力な後押しがあります。
今年の特別招待国ドイツ、AIパートナー国であるインドなど国や地域ごとの大規模パビリオン、毎年話題のLVMH*の華やかなパビリオンをはじめ企業の展示など、様々な枠組みの出展が無数に並び、まるで万博のような雰囲気です。政財界の著名人が登壇する豪華なセッションも数多く開催され、今年はAmazon創業者ジェフ・ベゾス氏、AIの世界的権威ヤン・ルカン氏、Adobe CEOシャンタヌ・ナラヤン氏などが、世界の最先端のビジョンを語りました。
* モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン。世界的なラグジュアリーブランドを傘下に置くフランスの巨大コングロマリット企業
世界のトップ企業と繋がる!スタートアップが海外展示会に継続出展する意義
3年連続でVivaTechに出展している愛媛発のスタートアップUnited Silk社 河合社長にお話しを伺ったところ
フランス市場は時間がかかる。だからこそ毎年プレゼンスを見せ、この市場に本気であることを伝え続けることが重要
とのことでした。新たなシルク産業のグローバル展開を図る同社は、フランスのラグジュアリーブランドなど高級市場がターゲットです。世界的企業が新たな技術や素材を採用するには、数年がかりのプロセスを要します。同社ブースには、グローバル企業の新規技術担当者などが次々と訪れ、天然シルク由来の新開発のバイオ素材に注目していました。
盛況のJAPAN VILLAGE、注目の関西スタートアップ2社
JETRO主導で実現したJAPAN VILLAGEには、スタートアップ37社が出展。エントランスが目の前の最高の立地、ピンク基調の軽やかなデザインで、常に賑わっていました。 昨年より参加自治体が増え、関西自治体も複数が参加したことで、多くの関西発スタートアップがパリに集結しました。生態会にとっても非常に嬉しい変化でした。

生態会が取材したスタートアップでは、株式会社IDEABLE WORKS、株式会社STARUP、株式会社Ready to Bloom、株式会社Godotが出展していました。そのうち2社を紹介します。
Ready to Bloom(大阪)
画像認識AIソリューションで必要なデータを素早く読み取るセンシング技術が、現地でも高い関心を集めていました。ルワンダのIT人材を活用する独自の体制も、アフリカとの関係が深いフランスの地では”理解が早い!”とのことです。VivaTech出展について、代表取締役 西郡 琴音さんは
例えば、ヨーロッパの製造系企業での物流パレットの画像認識など、今後につながる具体的な商談がいくつもあり、手応えを感じてます。
と話されていました。
▶︎過去の取材記事

株式会社IDEABLE WORKS(京都)
「壁面を美術館に変える」デジタルギャラリープラットフォーム「HACKK TAG」を展開。アート作品を高精細「デジタル額縁」に配信する新しいギャラリーサービス「INTERIOR GALLERY」で、商業施設等の空き壁面をギャラリー化してアーティストの表現の場を広げる全く新しいビジネスモデルを広げています。代表取締役 寺本 大修さんは、
海外での「デジタル額縁」の設置を拡大したい。VivaTechでは「おもしろいね!」とまっすぐに興味を持ってもらえ、可能性を感じています。
と手応えがあった様子。VivaTechを機に、パリでの展示も実現したそうです。
▶︎過去の取材記事

関西広域連合 片伯部 局長に聞く、関西エコシステムの今後
今年初参画した関西広域連合の片伯部 真由 広域産業振興局長に現地でお話を伺いました。
ー出展の背景と、現地での感想をお聞かせください。
⼤阪・関⻄万博を機に、パリのあるイル・ド・フランス地域圏と交流が始まり、具体的な連携として出展が決まりました。VivaTechの会場では、圧倒的なスケール感と熱気、そして最先端の技術とグローバルな交流に驚くとともに、フランスが10年かけてスタートアップ・エコシステムを育てた成果を実感しています。関西でも京都のIVS、大阪のGlobal Startup EXPO 2026(GSE)やTech Osaka Summitなど国際的なテックイベントがあります。今回の出展の経験を活かしていきたいですね。
ースタートアップ・エコシステムとしての関西の魅力は?
京阪神のアカデミアや、⼤阪・中之島の未来医療国際拠点など、ディープテック基盤の強さは、関西の強みです。グローバル企業が多く、自治体によるサポートもあり、ビジネスフレンドリーな環境や、交通、物価などの面でも、住みやすく、事業をしやすい都市としての魅力があります。こうした点も含めて、「Deep Tech Frontier Kansai」として、関西ならではの優れたエコシステムを世界に発信していきたいです。
現地では、関西のエコシステムの紹介や、GSEのPRも精力的に展開。2026年10月5日〜7日に大阪で開催されるGSEはディープテック6分野にフォーカス、関西から世界へ新産業を発信する国際スタートアップ展示会です。
ー今年のVivaTechでは大阪のスタートアップ支援機関ナレッジキャピタルとVivaTechがMOU調印式を行うなど、民間連携も進んでいます。自治体が連携する意義を教えてください。
⾃治体が連携し交流を深めることで、双⽅の地域の企業が互いを知る機会が増えるなど、「⾯の繋がり」が生まれることが期待できます。関西広域連合では、昨年の万博での縁を活かし、今後、関西と同じくディープテックに力を入れているイル・ド・フランスと産業やイノベーションを含むMOUを締結したいと考えています。このようなビジネス交流を活かしつつ、関西は、強みとするディープテックを軸に、新たなイノベーションを創出する拠点として、スタートアップの挑戦と成⻑を⼒強く盛り上げていきたいです。
万博レガシーとしての国際連携が関西スタートアップ・エコシステムを進化させていること、リアルな交流は国境を越えたビジネスの原動力になることを、改めて感じたインタビューでした。

取材を終えて:リアルなコミュニケーションが熱を生む場所
私にとって、4年目のVivaTech。あらゆるサービス・プロダクトにAIが組み込まれ、実用化される今、「どんな技術か」より「誰と組むか」「何と組むか」に関心が向かっていると感じました。また、国を挙げて圧倒的なスケール感を見せるインドや、サムスンなどのグローバル企業の存在感は圧倒的でした。日本のプレゼンスのさらなる向上にも期待したいです。
世界中の人々と最新技術をテーマに「これ何?」「あなたは何をしてるの?」と気軽に会話を交わせるライブ感が、国際展示会の面白さです。今後も、関西スタートアップの挑戦を追いかけていきたいと思います!




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